筑西の「来福酒造」(筑西市)で今、サクラの花の天然酵母を用いた季節限定の純米酒「来福・さくらうすにごり」の出荷が始まった。
1716年の創業以来、伝統の味を守りながら新商品の開発にも積極的に取り組んでいる同社。「食も日本酒も季節感が大切と考えている。」と、社長の藤村俊文さん。花酵母を用いた酒造りにも積極的だ。
震災で県内の多くの酒蔵が被災した。「来福酒造」も例外ではない。「破損した屋根瓦の修復やタンクの修理などを多くの人々が助けてくれた。おかげで今日も元気に酒造りができる」と藤村さん。「とにかく今は明日の笑顔のために元気いっぱいにお酒を造るしかない」とも。
花酵母は東京農業大学醸造課の種類研究室が研究しているもので、サクラ以外に、ナデシコ、ツルバラ、ベコニアなどの清酒酵母の純粋分離に成功し実用化されている。
藤村さんは「蔵の伝統を守りながらも、お客さまの笑顔につながる新たな商品を追求し続けたい。関東一の酒蔵数を誇る茨城の地酒をもっと多くの人に知ってもらい、茨城の酒造をもり立てていきたい」と語る。
価格は2,625円(1.8リットル)。県内外の地酒販売店などで販売する。