「MITSUBISHI CHEMICAL JUNIOR DESIGNER AWARD 2009」で筑波大学の山本美希さんが「日比野克彦賞」を受賞した。
未来の一流デザイナーを目指す学生たちの「卒業制作」を対象として行われた同アワード。「次代を担う逸材の発掘と、デザイナーの卵たちの新鮮な感性と可能性を世に広める機会の創出」を目的に開かれた。
山本さんは、筑波大学芸術専門学群構成専攻ビジュアルデザインを今年3月に卒業した。受賞作品は卒業制作の「爆弾とリボン」。
作品は、言葉がなく、絵だけで読む小説のようなピクチャーブック。234枚のイラストレーションを場面ごとに10個のシーンに分け製本、白黒だがコラージュを取り入れるなど、シンプルながら幅のある表現を試みた作品だ。デジタル的な表現をせず、あえて手仕事とも言えるような感覚でひたむきに描いた。
山本さんは「中学生のころから抱えてきたテーマを、大学生になってやっと見つめることができたように思う。自分の性別に何度も打ちのめされましたが、それでもこの物語の主人公たちはなんとか肯定的に描きたいと思った」と語り、作品が多くの人に伝われることを期待しているという。
受賞作品は、東京国際フォーラム(東京都千代田区)で今月15日まで展示された。