筑波大学卒業生の西巻祐さんが、カレーうどん専門店「ZEYO.(ゼヨ)」(つくば市天久保2)運営資金応援のためのクラウドファンディングを立ち上げた。
筑波大近くにあり、学生向けに人気の同店は今年で開店から10周年を迎える。カレーうどんは28種類のスパイスを使うなど本格的だが、学生向けの価格やメニューで親しまれている。市内の外出自粛要請を受け、4月8日から無期限での休業を決めた。西巻さんは大学在学中の2011(平成23)年から5年間スタッフをしており、「少しでも助けになれば」とクラウドファンディングでの応援プロジェクトを企画。「店に頼まれたわけではなく、自主的に立ち上げた」と、構想から5日でスタート。大学卒業後はつくばを離れ千葉県で会社員をしつつ、オーナーであり店長の荒井慶博さんとは連絡を取り合っていた。新型コロナウイルスの影響で飲食店が厳しい状況に、「どうしているかなと思い」連絡を取ったところ「店を続けることや、休業にも葛藤があると聞いた。資金を援助できないかと企画を思い付いた」と話す。
西巻さんがアルバイトを始めた当初は「オープンから1年くらいの時期でお客さんがまだ少なかった」と言い、「休みなく働く店長になぜ頑張れるのかと尋ねると『自分の名前で店を出し、大きくするのが夢』と話してくれた。口数少ない人だが、力になりたいと感じた」と当時を振り返る。西巻さんの提案でSNSアカウントの運用などを始め、名前が知られるようになると人気の店となった。現在も店の前にある「トッピング無料券」などの当たりしか入っていない「100円ガチャ」は西巻さんの考案。「スタッフの提案を積極的に取り入れるのもZEYO.の強み」と話す。
プロジェクトの支援者は続々と増え、現在69人。リターンにはカレーうどん無料券などを用意し、「筑波大卒業生が後輩にごちそうするような感覚でカレーうどん無料券を選んでもらえればと考えていたが、社会人や、音楽フェスの帰りに立ち寄った人などさまざまな層から支援があり驚いた」と西巻さんは話す。
荒井さんは「正直なところ、現在つくばにいないスタッフやお客さんからこんなに支援いただけるとは思わなかった」と言い、「今のZEYO.があるのは今までのスタッフ、現在のスタッフ、お客さんといった皆さんのおかげ。これからもがんばりたい」と力を込める。西巻さんは「今の状況が落ち着き再開したら、多くの人にカレーうどんを食べてもらい、『これがZEYO.の味なんだ』と思ってほしい」とプロジェクト達成に向け意気込む。