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「ワインの良さを多くの人と共有したい」清水雄介さん(37)―― つくば・天久保でワインバー「43ponte」を営んで間もなく2年

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 つくば市の天久保4丁目交差点そばでワインバー「43ponte(シミポンテ)」を営む。伊・仏・日本の自然派ワインを厳選。店内奥のワインセラーには400~500本のワインが並んでおり、客との会話からその時々に美味しいワインを好みに合わせて提供する。春に開店2周年を迎える。「ワインについて文面よりも言葉で説明したい」との思いから、メニューにはワイン名と生産者名のみを載せ、ワイン提供時に特徴や生産者の思いを伝える。カウンターが主体で、客との距離が近いことも店の特徴だ。

◆「スーッとのどを通る」自然派ワインとの出合い

 東京・恵比寿の飲食店に勤務していた際に自然派ワインと出合った。それまで、ワインは飲みにくいものだと感じていたが、スーッとのどを通り、個性的で豊かな味わいの自然派ワインに惹かれた。生産者がどのような思いでワインを作っているかを肌で感じるため2013年にイタリアへ。25軒ものワイン生産者を訪ねた。

 32歳で仏・伊のワインを取り扱う「葡萄酒蔵ゆはら」(つくば市松代2)に就職。同時に、つくば市民の多くにワインが浸透していないことに驚いた。自然派ワイン業界では、つくばに有名な輸入業者が複数あることなどから、ある種の「聖地」となっていた。しかし、市民にはその良さが知られていないことに気づいた。「ワインの良さを多くの人と共有したい」。開店を決意した瞬間だった。

◆「人と人とのつながりを感じる」43ponte開店

 2017年の開店当初は閑古鳥が鳴く日も続いた。しかし、会話を重視する接客法や人となりが評判に。次第に客が増えていった。

 隣には筑波大学があり、周辺は学生街の様相を見せるため、グラスワインは1杯500円から取りそろえる。しかし、大学周辺の店としては珍しく、客の6、7割は教授や研究者などの社会人が占める。常連客の中には、代行を走らせてまで来る客も多い。「人と人とのつながりを感じる。いいお客さんが、また次のいいお客さんを連れてきてくれ、店をいい方向に持って行ってくれている」。

◆「さらにワインの良さを広めたい」

「一人でも、女性だけでも気軽に入れる」ように、バーといえど店内は明るく、外からでも様子が分かるようにガラス張りとなっている。実際、一人で来店する女性客も多い。「さらにワインの良さを広めたい」。

 「ワインの世界は知れば知るほど奥が深い。しかし、誰でも気兼ねなく来てもらい、その楽しさの一端でも感じてもらえればうれしい」

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