高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所(物構研)(つくば市大穂1)が公認グッズとして「No Cats No Life(猫のいない人生なんて)」Tシャツ(通称ネコT)を10月24日、市内2カ所で販売開始した。
毎年夏に行われるKEK一般公開での物構研展示テーマに合わせ、2013年からスタッフ用オリジナルネコTシャツを製作している。2019年は元素の周期律の発見から150年の国際周期表年であったことから「元素記号の組み合わせでデザインを」と発想したという。窒素(N)、酸素(O)といった7つの元素記号を「No Cats No Life」となるよう組み合わせた。
デザインを担当した同機構物構研広報室の大島寛子さんは「周期表は大きすぎてそのまま載せられない。何か言葉を考えることにした」と言い、広報室でアイデアを出し合い「No Cats No Life」となった。「元素がかぶらないようにこだわった」と話す。描かれている5匹のネコは「研究所の敷地内に生息する地域ネコならぬ研究所ネコ」だと言う。背面に描かれている野ウサギなど、グッズに登場する生物は全て研究所内で見られる。広報室の深堀協子さんは「KEK内に本当にいる動物たちだということを知ってもらいたい」と力を込める。「ネコと野ウサギは天敵同士なので、表と裏に配置した」と言い、「元素記号に注目しすぎる研究者には、逆に言葉を読んでもらえないこともある」と笑う。
今年の一般公開当日、50枚ほど用意した「ネコT」は午前中に完売。「どこへ行けば買えるのか」「もう販売はしないのか」といった問い合わせも多く、「大学の研究室がまとめ買いした例もある」と大島さん。本来はスタッフ用のTシャツであったが好評を受け、商品化に踏み切った。既にKEK内の売店では100枚ほどが売れたという。TXつくば駅構内のお土産物ショップ「つくばの良い品」でも取り扱う。深堀さんは「初めてグッズの営業をした。置いてもらえることになりうれしい」と話す。
価格は2,000円(税別)。カラーはサイズによって異なる。