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「地域と共に」つくばのレンタルビデオショップ 19年の歴史に幕

桜地区で19年間映画や音楽を発信してきた店舗

桜地区で19年間映画や音楽を発信してきた店舗

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 TSUTAYAつくば桜店(つくば市桜)が6月16日をもって閉店する。

スタッフ有志で作成していた「BIGBENだより」最終号

 同店は2001(平成13)年、前身である「BIGBENつくば店」が吾妻から移転し、ビデオ・DVDのレンタルを開始。2013(平成25)年にTSUTAYAに統合されてからはゲームの販売も取り扱い、家族層にも販路を広げた。店長の河原理絵さんは「TSUTAYAの一般的に人気のある品ぞろえと、BIGBENのマニアックな品ぞろえを併せ持つ店舗。家族から学生まで幅広い年代に来店していただいた」と話す。学生を中心に根強い支持を集めていたが、ネット配信の普及により競争力が低下し、閉店に至った。

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 河原さんはBIGBENの元店長であり、店舗移転の立ち上げにも関わった。「学生が映画や音楽に興味を持つきっかけを提供したい」との思いから、BIGBEN時代はスタッフが手書きで映画や音楽を紹介する店舗通信を作成。店内の商品配置やポップも工夫し、2012年には日本コンパクトディスク・ビデオレンタル商業組合が主催するCDVJショップコンテストで優秀賞を獲得した。TSUTAYA統合後もオリジナルのポップや特集コーナーの設置は継続。映画や音楽が好きなスタッフが集まり、「アルバイトとして入ると、一度はコーナー作りをする」そうだ。

 アルバイトのほとんどが学生で、同店で初めてアルバイトをするという人も多かった。「なるべく長く勤めてもらえるように、ヒアリングは欠かさない。学生が社会と関われる窓口になるようにしている」と河原さん。その評判が先輩から後輩へ伝わり、「アルバイトはほとんど募集の必要がなかった」という。学生との思い出について、「大学の授業で映画やCDを使う課題が出ると、1日に何件も問い合わせが来ていた。『もっと早く問い合わせてくれたら在庫を増やせたのに』と思いながらも、『せめて分かりやすいところに』と表に出して陳列するなど工夫していた」と振り返る。

 地元のイベントにも頻繁に参加し、「つくばロックフェス」の立ち上げにも協力。地域とのつながりを重視してきた。閉店の報を聞き、県外に引っ越した顧客から差し入れが届くなど、つくば内外から惜しむ声が上がる。

 「長年ここで営業してきた。地域と密着した店にできたことは私の誇り。つくばを離れても気に掛けてくれた方々もいて、多くの人に愛されていたことを実感している。感謝の一言に尽きる」

 貸し出しの最終日は6月2日。6月10日から閉店セールを予定。

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