「インクルーシブ読書感想文コンクール」が初開催される。主催はつくば自立生活センターほにゃら(つくば市天久保)。課題図書は海老原宏美さんの著書「わたしが障害者じゃなくなる日 ~難病で動けなくてもふつうに生きられる世の中のつくりかた」。
著者は生まれつき難病を抱える海老原さん。「じつは、わたしに障害があるのは、あなたのせいなのです」と語り掛ける同書は、障がい者と健常者の共生などをテーマにしたノンフィクション。同センター事務局長斉藤新吾さんが海老原さんと友人で、「この本をみんなに知ってもらいたい」という思いから課題図書に設定した。「本は著者の考え方などが文章として完成しているもの。うまく活用して共生社会やインクルーシブという考え方に出合ってほしい」と話す。
コンクールの対象年齢は小学3~6年生。「障がいを持つ持たない関係なく、いろんな人生があることを、先生を介してではなく、子どもたちが直接知ることが大事」と話す。斉藤さんは「そもそも読書が嫌い」だったという。「大人になってから出合った一冊の本のおかげで世界が広がった。本は世界へ簡単な入り口。好きな本を読んでほしい。その本の中に、今回の課題図書があればいいなと思う」とも。
「障がいを持っている持っていないにかかわらず『こういう風な生き方をしないといけない』といった窮屈な考えではなく、ありのままでいいそいういうのでいいんじゃないかなと伝えていきたい。そう考えるきっかけの一つとして読書感想文コンクールがあれば」と話す。
今回はつくば市や龍ヶ崎市など計5市の小学校に100冊を寄贈した。「ただ本をあげるだけだと面白みがない。ぜひコンクールに参加してほしい」と参加を呼び掛ける。
応募締め切りは9月25日。