筑波実験植物園(つくば市天久保1)で8月4日まで、カブトムシを観察できる移動式の箱「カブトムシハウス」が設置されている。運営はもっくん珈琲、同園が協力。
木と網で作られ、タイヤを付け可動式となっているカブトムシハウス。中には植物園に生息するカブトムシを入れて育て、子どもたちが希望すれば手で触れるなど、横に設置した区画で触れ合えるようになっている。製作には2週間かかったという。「カブトムシは暑さに弱い。タイヤをつけることで、木陰が時間によって変わっても移動できるようになっている」と工夫を凝らす。
製作者の川村宜央さんは、筑波大の地球学類で自然科学を学んだ。夫婦で経営する焙煎(ばいせん)所の店舗でも同ハウスを設置しており、近所の子どもたちに開放している。同園には毎年夏休みの時期に、移動販売のカフェとして出店していたが、「店を出していると、子どもたちのカブトムシへの情熱がすごいことに気が付いた」ことから、同園へ設置を提案したところ、快諾されたという。
川村さんの長男で小学校1年生の龍之介さんもスタッフの一員として飛んでしまったカブトムシの捕獲をしたり、子どもたちを植物園に案内したりするという。「この夏はカブトムシ研究をしたいと思っている」と話す。
「今の子どもは虫に直接に触れ、学ぶ機会が減っている。気軽にカブトムシに接する環境を作り、自然科学へ興味を持つきっかけになれば」と期待を寄せる。
今後は植物園以外にも出張する予定。
開催時間は10時~18時。入園料は大人310円。