来年2月に開催されるものづくりの祭典「Tsukuba Mini Maker Faire 2020」に向けてのキックオフ会議が8月26日、イノベーションプラザ(つくば市吾妻1)で開かれた。主催はTMMF実行委員会。
Maker Faireは、DIY好きな個人から団体といったMaker(作り手)たちの作品発表や交流の場として、世界200カ所以上で行われる。日本では2008(平成20)年から運営されてきた。地方コミュニティーが主催となるMini Maker Faireは大垣、山口に続き、つくばが3都市目となる。キャッチフレーズは「未来を『つくる場=つくば』」。ものづくりの成果発表の場とするだけでなく、トークセッションなどのプログラムも行う予定。
今回の会議では、実行委員長の筑波大教授五十嵐浩也さん、くとのさん、プログラム委員長であるメディアアーティストの江渡浩一郎さんといった合計27人の実行委員のうち18人が参加。「使い道の分からない研究成果の展示」や、「つくばにものづくりができるガレージをたくさん作ろう」と言った意見が出た。中には、研究所から出る廃棄物の活用や、研究所と小中学校などの教育機関の垣根を越えたいと言った意見も。江渡さんは「これまでにも準備を進めていたが、初めて顔を合わせるメンバーもいた。『つくばらしいメーカーフェアとは』などの議論を深めることができた」と話す。
つくば市は2018(平成30)年に「スタートアップ戦略」を策定し、市を挙げてスタートアップを支援している。江渡さんは「この機運を盛り上げるには、市民が旗印となるイベントの存在が重要では」と考え、同イベントを提案。「ものづくりの技術を持つメーカーが集うコミュニティーは重要。教育の観点からも、子どもたちがものづくりをする大人の背中を見ることは大事」と語る。
8月30日まで、出展者の第1次募集をしている。現在の応募状況に「手応えを感じている」と話す。「企業、団体はもちろんだが、個人の出展を非常に重視している。スタートアップを育てたい、応援したい人に来てもらい、マッチングが起こってほしい」と期待を込める。