つくば市立竹園東中学校(つくば市竹園3)9年生の山中遊至さんが11月25日、地元の美容院「Hair make まぅるる」(天久保2)で2年間伸ばした髪を切り、ヘアドネーションに挑戦した。
ヘアドネーションとは、頭髪を失った子どものために寄付された髪の毛を使ってウィッグを作り提供する活動。日本では2009(平成21)年ごろろから行われるようになった。原則として31センチ以上の髪を提供し、20~30人分の頭髪をまとめて1つのウィッグになる。
山中さんは中学1年生の秋ごろから髪を伸ばし始めた。叔母が乳がんを発症し、抗がん剤で髪の毛が抜ける患者や子どもたちがいることを知ったとき、「母からヘアドネーションを教えてもらい、やってみようと思った。元々髪は長い方だったので抵抗はなかった」と振り返る。母の美根子さんは「普通はできないと思うことをやってみようという姿勢なので提案してみた」と言い、「髪が長いのも個性として受け容れられるといい。ヘアドネーションを理由に伸ばしてみるのは面白いのではと思った」と話す。
山中さんが通う中学校には決まった校則がない。「そのおかげで挑戦できた。先生からも注意などはされていない」と言い、伸ばしていく過程で男性が髪を伸ばすことに対する世間の目を感じた。初対面の人に驚かれ「ヤンキーかと思った」と言われたり、知らない人から「何あれ」と言われたりしたという。「予想していた以上に外見で判断される場面が多かった。男子で髪が長いのがおかしいのを変えていかないと」とも。
髪を切った山中さんは「最初はすっきりしすぎて変に感じたが慣れてきた。毛量が多く、ウィッグにするのに良いと褒められた」とほほ笑む。
今後も「またやってみたい。校則があるので高校で可能かどうかはわからない。大学生になったらやるかもしれない」と言い、「男性は勇気が必要かもしれないが、実はカラーやパーマをした髪や白髪であっても問題ない。できるなら女子も男子も関係なく、やってみるのもいいのでは」と呼び掛ける。