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つくばの私立学校でオンライン授業参加100% コロナ禍でも「学び止めない」

世界史Bのオンライン授業の様子。Teamsを駆使し、双方向の授業を心掛ける。

世界史Bのオンライン授業の様子。Teamsを駆使し、双方向の授業を心掛ける。

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 茗溪学園中学校高等学校(つくば市稲荷前1)では、3月1日に始まった休校期間で、中学1年生から高校3年生にあたる6学年全てでオンライン授業を開講し、参加率が100%となった。

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 同校ではICTサポート室がツールを選定し、Microsoft TeamsやGoogle classroomなどを中心に使用。在校生1456人の中でも、新入生である中学1年生と高校1年生は一度も会うことなくアカウントの発行や接続を行った。「4月時点で全ての生徒の参加が確認できた。こちらも驚くほどスムーズだった。端末の貸し出しはしておらず、家庭環境の力も大きい」と話す。

 広報部の佐藤賢士さんは「3カ月ほどの休校となったが、学びは止めていない。オンライン授業にすることでむしろ例年よりも早く授業が進んだ科目もある」と胸を張る。「課題をプリントで出し、家で採点してもらうという形式では保護者の負担が増えたり、生活リズムが崩れたりする可能性もある。オンラインかつオンタイムでの授業形態を模索した」と話す。「生徒の集中が続かない」「オンライン疲れが見られる」と、当初は50分だった1コマを45分に変更するなど、5月以降も試行錯誤を続ける。

 「科目ごとに担当教員が授業スタイルを確立するための3か月だった」と振り返る。高校3年生の世界史Bの授業ではリアルタイムの配信をするが、欠席した生徒のために録画も行う。グループ分けをして生徒同士の討議の時間も取り入れる。「とにかく生徒が飽きないようにしている」と担当の榊原里佳さん。「オンライン授業で、想像以上に可視化できたことも多い」と言い、「テストの点数の集計などは特に便利」と評価する。佐藤さんは「在宅勤務の保護者から、授業参観のように子どもの授業を見ているとコメントをもらったことも。一緒に体育の授業を受けている人もいるそう」と笑う。

 休校解除は6月14日を予定しているが、今後もオンラインでの取り組みを継続的に取り入れる。同校の説明会もオンラインで行うことにした。説明動画を用意するほか、質問コーナーをライブ行うといった工夫を凝らす。「授業に関しては、一時的な措置ではなく、第2、第3の波に備え、今後もオンライン授業を提供できるよう準備してきた」と言い、「行事を通じた人間関係の形成などはオンラインでは難しい。3密を避けながら学校ならではの活動ができれば」と開校に向け、意気込む。

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