つくば市在住のデザイナー岩田直樹さんが、デジタル庁が定める「2021年デジタルの日」のロゴデザイナーに選ばれた。
デジタルの日は10月10日、11日に「政府と民間が共同して社会全体でデジタルを感じる」日として今秋設置予定のデジタル庁が開催する。ロゴは5月12日に公募を始め、一般投票の推薦を基に、最も得票したのが岩田さんだった。
岩田さんは「耳の聞こえないデザイナー」として個人事業主としても活躍するつくば市在住の会社員。選出されたことについて「信じられない気持ちが大きかった。デザイナーとしてだけでなく、聴覚障がい者としても大きなチャンスだと気付いた。デザイナーのプライドを懸けて取り組もうと燃えている」と岩田さん。「所属する会社も理解があるため、応援してくれている」とほほ笑む。専門はグラフィックデザインで、企業のロゴや日本酒のラベルなど、さまざまなデザインを行ってきた。「目で情報を得て過ごしてきたので、見て、より理解できるデザインが得意だと思っている。ビジュアルも大事だが、意味が分からないとただの絵になってしまう。その間を埋めるデザインを作ってきた」と振り返る。
デジタルの日は「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化」を実現するために創設され、「誰一人取り残さないということは、障がい者というマイノリティーから見ても難しいこと。それでも、年齢・性別・障がい・LGBT・国籍・人種・立場などにとらわれず、一人一人と向き合って理解し、行動すれば必ず実現できると信じている。障がい者の社会参画の大きな一歩となれれば」と語る。「デザインを担当することが決まっただけであり、ロゴそのものはまだ完成していない。全力でふさわしいロゴをデザインしたい」と意気込む。
ロゴの発表は7月を予定している。