つくば駅前で行うアート企画「つくまちアート」の第1弾「MA-NanoArt マナノアート展」が7月20日から、つくばセンタービル(つくば市吾妻1)で開かれている。
つくばの中心市街地のまちづくりを行うつくばまちなかデザイン社(つくば市吾妻1)と物質材料研究機構の研究拠点の一つ、国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(WPI-MANA)(つくば市並木1)がコラボレーションして開く同展。「髪の毛の太さの10万分の1の大きさの物質が織り成す世界」を切り取ったアート作品を16点展示する。分子を「和傘」に見立てた作品などユニークな作品が並び、作品だけでなく、制作者によるコメントや研究内容も紹介する。
WPI-MANAではナノテクノロジーや材料分野の研究が行われている。「マナノアート」は「優れた成果は必ず美しい」「美しさを感じ取ることは数式や難しい理論を使わなくてもできる」という考えから、研究者の得た成果をアート作品にした。「拠点の中だけでの展示はもったいない」と考えていた同拠点広報の澤田莉沙さんとつくばまちなかデザインの椎名愛実さんが出会い、今回の企画実現にこぎ着けた。「研究者の皆さんも積極的に協力してくれた」と澤田さん。
椎名さんは「約150の研究機関があるつくばで、もっと身近にアートやサイエンスを感じられる機会をつくりたかった。その入り口としてつくばセンタービルの仮囲いを活用した」と言う。展示について「研究者もアーティストも話してみると一人の人間。1枚のパネルに込められた思いや背景を知るとより深みが増して見える」と話す。
アートをきっかけにつくば駅周辺を回遊してもらおうと16種類のポストカードをつくば駅周辺の各施設に設置し、10種類以上を集めた人にMANAオリジナルグッズを進呈する企画も用意した。椎名さんは「ナノの世界に思いをはせながらつくばのまちを巡ってほしい」と呼び掛ける。
鑑賞無料。8月19日まで。