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つくばのフリースクール「Kimiiro」が開設1周年 子どもたちが活動費管理も

蓮田さん(中央)とスタッフ

蓮田さん(中央)とスタッフ

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 フリースクール「Kimiiro(きみいろ)」(つくば市上ノ室)が7月6日、開設1周年を迎えた。

子どもたちと活動の内容を話し合う蓮田さん(中央)

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 元高校教員の蓮田拓歩さんが自宅を改装して始めた同スクール。蓮田さんは県立高校で3年間勤務した際、全校生徒の7~8割が小中学校時代に不登校を経験していたことに直面。「学校に来られない子に満足な支援ができなかった悔しさがあった」と振り返る。

 同スクールの名前「Kimiiro」には「一人一人の個性である『君色』を大切にし、何色にでもなれる、ありのまま成長できる場所にしたい」との思いを込めた。週1~3回の通学が可能で、現在は小学生5人と中学生1人の計6人が通う。

 特徴的な取り組みの一つが、子どもたちに活動費の管理を任せていること。月々の予算内で調理の食材購入や公園への交通費などを子どもたち自身が話し合って決める。「買い物で四則演算を学び、予算消化を経験する」と蓮田さん。「ゲームの課金はしない、毎日記録を付ける、全員が賛成した時だけ予算を使うという3つのルールを保護者も交えて決めた」とも。

 地域との連携も広がっている。子どもたちが「野菜を育てたい」と言えば近隣住民が畑を提供し、蓮田さんの恩師が年4回の天体観測会を開くなど、支援の輪が広がっている。「支えてくれる人がこんなにもいるのだ、と日々感謝している」と蓮田さん。

 スタッフは元教員5人を含む7人。60代のベテランから筑波大学院生、高校生スタッフまで幅広い年代が子どもたちを支える。

 1年を振り返り、保護者からは「前向きになった」「他者のことも考えて接するようになった」との声が寄せられているという。蓮田さんは「学校と敵対するのではなく、より深く連携したい。学校の先生が忙しくて手の届かない部分を柔軟にサポートし、学校・保護者・フリースクールが一緒に喜べる関係を築きたい」と意欲を見せる。

 「Kimiiro」では今後、法人化し活動の幅を広げることを目標にしているという。フリースクールの問い合わせはホームページやインスタグラムのダイレクトメッセージで受け付ける。

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