学問分野を超えた学びを目指す学生のための学会「みんなの学会」が2月15日、ノバホール(つくば市吾妻1)で行われる。主催はつくば院生ネットワーク。
今回が初回となる同イベントはテーマを「ユニバーサルな学び~手話から学ぶ、伝えるということ~」とし、「聞こえる、聞こえないの違いに関係なく、研究を語ることが目的」と代表の讃井知さん。つくばにある3つの大学の学生を中心に運営を行う。第1部では参加者が研究を口頭発表し、全てに手話通訳、文字通訳、音声通訳をつける。第2部は懇親会形式とし、さまざまな参加者の交流を促す。
同団体は2009(平成21)年発足。「学科や専門性にとらわれない、研究者や学生同士をつなぐには」と活動していた讃井さんに、同団体メンバーの青木優美さんが「手話を使ってイベントができないか」と相談し、同団体の分野横断的な活動と、「健聴者とろう者の垣根を越える」といったコンセプトが合致したことから同イベントの企画が始まった。
青木さんは手話パフォーマンス集団「きいろぐみ」のステージに感動し、手話に興味を持ったという。「手話の表現力はすごい。自分が関わる分野で手話の要素を取り入れたいと思った」と話す。「手話を勉強するうちに、手話が時間の流れや空間の位置、個数などを表すのに向いている」と気づき「実は研究を表現するのにぴったりなのではと思った」と振り返る。
全ての発表に手話通訳をするため、事前に手話通訳士との打ち合わせが必要。「発表者も専門用語を使わないように最初に取り決めをする」という。「聞こえない人たちのためにではなく、聞こえる人にも分かりやすく、楽しくなればいい」と青木さん。讃井さんは「ユニバーサルな場でもあり、理論と実践の枠も超えて議論できる場にしたい」と語る。
きっかけとなった「きいろぐみ」のパフォーマンス誘致のための資金調達も行っている。「実際に手話の持つ力を見てもらい、エンターテインメントとしても楽しめるイベントにしたい」と意気込む。
開催時間は第1部16時~18時30分。学生無料、社会人=1,000円。第2部は19時~21時。高校生以下無料、大学生・大学院生=1,000円、社会人=2,000円
クラウドファンディングは1月31日まで。