車に見立てた分子を24時間走らせ走行距離を競う「ナノカーレース国際大会」が3月24日から25日にかけて、国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(WPI-MANA、つくば市千現)で開催される。
5年ぶり2回目の同大会。世界6カ国8つの研究機関がそれぞれ独自に合成した分子を動かし、車に見立てて競争する。日本からは物質・材料研究機構のNIMS-MANAチームなどが出場する。
約2ナノメートルの分子の車は普通の自動車の約20億分の1のサイズで、「宇宙から地球を見て野球ボールを探すようなもの。コース上のナノカーを顕微鏡で見つけて動かしていくこと自体の難度が高い。そのため24時間という長時間かけることになる」と大会広報の松井龍也さん。「ナノカーレースは単なる競技ではなく、分子の動きを理解、統制する研究を加速させる科学的な挑戦」と話す。
「各チームがそれぞれ異なる戦略を持ってレース用のナノカーを準備している。いまだ確立していない分子マシン技術だからこそ、参加チームによってさまざまなアプローチがあるのが面白い」と見どころを語る松井さん。自らも出場し、「レースであるからには1位を狙いたいが、分子が早く動くだけでは満足できない。他のチームとは全く異なるメカニズムを提示して、分子マシン技術の裾野を広げたい」と意気込む。
大会の様子はニコニコ動画でライブ配信する。配信時間は24日18時45分~25日20時30分。チーム紹介や研究者のインタビュー、レース状況の中継などを行う予定。動画はアーカイブされる。