開館20周年を迎えた「茨城県つくば美術館」(つくば市吾妻2、TEL 029-856-3711)で4月23日、「虹の作家」として国際的な活躍を続ける靉嘔(あいおう)さんの回顧展「AY-O 1950’s-2010展」が始まった。
靉嘔さんは1931(昭和6)年、現在の茨城県行方市の生まれ。東京教育大学(現在の筑波大学)を卒業し、「デモクラート」「実在者」に参加した後、1958(昭和33)年に渡米。以後、「フルクサス」をはじめ現代美術動向のただ中で活動し、1966(昭和41)年にはヴェネチア・ビエンナーレ日本代表として出品するなど、「虹の作家」として国内外で知られている。
同展では、約60年にわたる作家活動を振り返り、油彩画、版画、コラージュなどの平面作品から、さまざまな素材・手法を用いたエンバイラメントまでの多岐にわたる活動を、最新作を含め74点を紹介する。
併せて、筑波大学内でも「靉嘔展」を開催。会場は、筑波大学アートスペース(4月22日~5月23日の9時~17時)と筑波大学総合交流会館多目的ホール(4月22日~5月9日の9時~19時)。いずれも入場無料。
同館学芸員の吉田衣里さんは「当館の20周年企画として内容を充実させた。靉嘔さんの多彩な活動の軌跡を見ていただきたい。会期中、作家自身の講演やワークショップなど関連企画も多くあるので楽しみにしてほしい」とも。
開館時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。入場料は一般380円ほか。5月23日まで。