特集

「記憶と共にある曲を」 筑波大学学園祭テーマソングに懸けた思い

  •  
  •  

 11月3日・4日に行われた筑波大学の学園祭「雙峰祭(そうほうさい)」。実行委員会は開催に先駆け、テーマソングを公募。初めての取り組みとなるこの企画で、13件の応募作品の中から投票で選ばれたのが「Preciousium」。作曲者は同大生のゆにかーるさん(以下、ゆ)、作詞者は9月に1周年を迎えたVTuber言ノ葉ルスカ(以下ル)さん。2人にこの曲に込め思いについて聞いた。

-テーマソング決定おめでとうございます。先日28日にフルバージョンのPVがユーチューブで公開されましたが、いかがでしたか?

ゆ「ようやくという感じでした。公募が4カ月前ということで、一つの曲にここまで長い時間をかけたのは初めてだったので新鮮な気持ちです」

ル「始まったという感じがしました。学園祭に対してもですが、今までは『作る過程』だったのが、次のステップに移った感覚があります。感想を頂けたのもうれしかった。曲が外に出た、完成したという実感が湧きました。今回の曲は『学園祭のテーマソング』という目的があって作られた曲で、完成して終わりではなく、むしろこれからが本番というのが面白いなと思います」

言ノ葉ルスカさん

-作ってみた感想は?

ゆ「応募動機の一つが『ステージで自分の曲を流したい』だったんです。なので、1番の構成は王道なポップですが、2番以降は自分の趣味を詰め込みました。もうこんな機会は無いだろうから、やりたいことを全部やろうと。好きな曲ができたと思います」

ル「面白そうなことには何にでも首を突っ込むタイプなので、今回も作詞やボーカルといろいろなことに挑戦できて良かったです。『言ノ葉』の名前にもあるように、元々言葉を使って何かを書いたり作ったりということが好きなので、楽しみながら作れました」

-曲を作る時に意識したことは?

ゆ「いつも作曲するときは情景を思い浮かべながら作るのですが、今回は前夜祭や後夜祭の盛り上がりをイメージしました。曲の構成はクラブミュージックの技法をイメージしているのですが、その中でルスカさんの声をどう魅せるかを試行錯誤しました。曲の始めがテーマソングを決める投票に使われるということもあって、最初の30秒で曲の全体像がわかるように、また聴く人の印象に残る部分が作れるようにしています」

ル「作詞するときに最初にもらったリクエストは『誰でも分かるつくば感を出すこと』と『前夜祭・後夜祭の盛り上がりを感じること』でした。なので、自分の中のつくばのイメージをキーワードにして、それを元に歌詞を付けていきました。1番でまず完結して、つくばを表せるようにして、2番はまた少し違う場所から見たつくばを描けるようにしました」

-2人がコラボしようと思ったきっかけは?

ゆ「筑波大学のテーマソングになるなら『つくばらしさ』を入れたい。そんなとき、ふと思いついたのが『科学の街』としてのつくばだったんです。曲にも電子音を入れて近未来的な雰囲気にしているのですが、そのボーカルがバーチャルというのはテクノロジー感があるんじゃないかなと思って、ある程度形になったところでつくばを拠点に活動しているルスカさんに作詞とボーカルをお願いしました。なかなか無茶な依頼だと思っていたのですが快諾していただけたので逆に驚いたのを覚えています」

ル「依頼を受けたときは驚きましたが、『楽しそう』という気持ちが最初に来ました。ゆにかーるさんとは元々付き合いがあって曲も聴かせていただいていたので、一緒に仕事ができるなんて光栄だなと。1曲丸々作詞するのは初めてだったのですが、趣味で短い曲を作詞したり演劇の台本を書いたりしていたので、その経験を生かして書いていきました」

ゆ「DTMは基本的には1人で作るものなので、こうしたコラボは曲に新しい風を入れられる貴重な機会でした。VTuberさんとコラボすることで、学園祭のテーマソングではありますが、学内で完結しない、より外へと広がっていく曲になれるのではないかなと思っています」

-最後に、この曲を聴く人たちにメッセージをお願いします。

ゆ「個人的には、今回『雙峰祭』に来場してくれた人たちが、またいつかこの曲を聴いた時に雙峰祭を思い出すような、記憶と共にあるような曲として、みんなの中に私たちの作った歌が残ってくれたらと思います」

 テーマソングは現在、ユーチューブでフルバージョンを公開中。

  • はてなブックマークに追加