筑波大学芸術専門学群の李研究室が主宰する「KANSEI Design LEELAB」が、子どもや高齢者、障がい者といった人たちを遠く離れたところから見守ることができるデバイス「おまもりシステム」を実用化を進めている。
同研究室は「暮らしの中で感じる『不安』を解消し、高齢化・少子化社会の暮らしの安全を見守ること」をコンセプトに活動。言葉で表しづらい異常や不安感を心拍数や行動パターンなどを基に感知できるようにする「感性デザイン」を研究している。
2010(平成22)年に開発した子ども用のデバイス「おにぎりマシーン」は内部にカメラやGPS、加速度センサーを内蔵。子どもの位置情報だけでなく周囲の様子や置かれている状況を親が把握できるようなシステムを作った。今回はこのシステムを高齢者や障がいのある人たちにも応用し、より多様なユーザーの行動特徴に合ったデバイスを開発する。
自身も1児の母であるプロジェクトリーダーの李昇姫さん。「仕事などでそばにいられないときも子どもを見守れるようなシステムが欲しい」という思いから本プロジェクトを立ち上げた。「特に子どもや高齢者、障害のある人は感情を言語化するのが難しいことも多い。周囲がデバイスで異常を把握できるようになれば、コミュニケーションを取り不安を取り除くきっかけにもなる」と言い、「将来的にはニーズに合わせた機能のカスタマイズや低コストでの商品化を可能にし、より多くの人が利用できるデバイスにしたい」と展望を語る。
現在、クラウドファンディングで資金調達に取り組んでいる。8月9日23時まで受け付ける。