農研機構遺伝資源研究センター(つくば市観音台)の上級研究員・内藤健さんの著書「アズキの起源」が7月24日、第42回講談社科学出版賞を受賞した。同賞は全ての出版社から刊行された一般向けの科学書を対象に、最も優れた啓発書に贈る。
東京書籍が刊行した同書は、赤いアズキの起源を探る科学ノンフィクション。アズキはイネやムギなどと同様に大陸から伝わったと考えられてきたが、内藤さんらの研究成果により、縄文時代の日本で栽培が始まったことが明らかになった。ゲノムを読むとはどういうことかも解説する。
内藤さんによると、世界中のアズキを収集した先輩研究者がいる研究所に入所したことや、ゲノム解読技術の革命期に研究を始めたこと、ゲノム解析の専門家や考古学者と連携できたことなど、さまざまな条件が重なり成果につながったという。
「日本から大陸に広がった作物があり、それがアズキで、しかも自分が発見するなんて想像もしていなかった」と振り返り、「(受賞は)驚きを通り越してポカンとしてしまった。日本の歴史を書き換えるような話なので、多くの方に読んでほしい」と呼びかける。