茨城発の科学技術やビジネスの種を発掘する「第10回茨城テックプラングランプリ」が7月25日、筑波大学未来社会デザイン棟(つくば市)で開かれ、日本原子力研究開発機構の鈴木政浩さんのチーム「Digital 5-D Lab.」が最優秀賞に選ばれた。
2017(平成29)年に始まり、リバネス(東京都新宿区)が運営する同グランプリ。今回は茨城県内の研究者や研究機関、同社のパートナー企業、学生らが参加した。ファイナリスト9チームがプレゼンテーションを行い、審査で最優秀賞と7つの企業賞が決まった。
最優秀賞のDigital 5-D Lab.は、鈴木政浩さん(日本原子力研究開発機構)が、「見えない死角をなくす空間セキュリティ基盤」をテーマに掲げ発表した。
企業賞は次の通り。テラル賞はGlobal Soil Sense(中村智史さん、国際農林水産業研究センター)による農家向けに土壌を安価に診断する技術。フォーカスシステムズ賞は地球科学可視化技術研究所(芝原暁彦さん)による地質・古生物資源の3D可視化。みずほ銀行賞はesa(後藤純一さん)による複合プラスチックのリサイクルによる資源循環。リアルテックファンド賞・山田商会賞は水素酸化細菌飼料サンプル生産(太田和希さん、筑波大学)による水素と二酸化炭素で増える細菌を使った養殖魚用飼料。興和賞・三和ニードルベアリング賞はNirMed(高松利寛さん、東京理科大学)による体の深部を可視化する次世代内視鏡システム。
基調講演では、ShrimpTech JIRCAS社長のマーシー・ワイルダーさんが「先端科学で実現する完全閉鎖型エビ陸上養殖システム」と題して話した。同社は国際農林水産業研究センター発のベンチャーで、ワイルダーさんは第6回グランプリのファイナリストとして発表した経験を持つ。世界的に広がるエビ養殖の環境負荷や疾病、輸入種苗への依存といった課題を挙げ、研究成果を社会に届けて産業に貢献する意義を語った。
グランプリ前には「茨城テックプランター交流会」も開き、過去の参加チームやパートナー企業、県内企業、中高生らが集まって意見を交わした。