筑波技術大学の天久保キャンパス(つくば市天久保4)デザイン学科工房で7月23日、触察教育研究会が日本発祥の現代美術「マリス」のワークショップを開いた。
同研究会は、触る教材一般を対象とした同大の研究グループ。マリスは、当日講師を務めた現代美術作家・高橋りくさんが2009年に日本で考案した、全盲の人も含め全ての人が鑑賞できる世界初の絵画技法。
マリスは進化した砂絵で、色の表現に砂の大きさの違いを利用し、色相はハーブエッセンシャルオイルを絵の表面に塗布することにより全盲の人も認識が可能になるアクリル絵画とその技法。画材は砂とアクリル絵の具。昨年、日本国内で特許を取得。現在、海外数カ国でも紹介されているという。
2012年に始まった204の世界国旗で世界を愛でつなげるマリス国旗プロジェクト。
当日はマリスで描く世界国旗作りを生徒や教師らが体験した。参加者は自国以外の国旗を共同で製作する。一粒一粒の小さな石を置いて作る際、「その国の人の幸せを願い、互いに思いやる心と敬意を込めて作ってほしい」という高橋さんは生徒らに向け、「作業にはならずに、その国の一人一人の幸せを願って『命をありがとう』と願いながら砂粒を置いてください」と説明していた。